へいぐいず。
つい先日、「モンスターもりもり物語」環境の予想記事を書いた気がするのですが、9月半ばに差し掛かった辺りでもうバランス調整の内容が発表されました。
今までの調整と比べてずいぶんと早い印象です。
【OTKゼシカ】と【ドラゴンミネア】が想定以上に猛威を振るい、配置等のゲームの特徴を無視した大迫力バトルを繰り広げている現状を懸念したのか。
あるいは、勇者杯決勝への切符を掴むために脇目も振らず走り続ける修羅達の事を考慮し、佳境となる月末に調整が差し込まれる事を回避してくれたのかもしれませんね。
僕自身は現在1900ポイント周辺を彷徨っていますが、正直環境をあまり好きになれず、更に上を目指して継続的に戦っていく自信が無かったので早めの調整は嬉しいです。
さて、実に13種ものカードに調整が施された今回。まさに空前絶後の大調整です。
当然、プレイヤーを取り巻く環境もガラリとその姿を変える事と思います。
てなわけで、今回も恒例の感想&新環境のザっとした予想を。
実際に環境が始まって以降は僕自身もダークパレス戦線の事がありますので、情報を落とせなくなるかもしれません。この機に是非見ていってください。
目次
Nerf1.《プチアーノン》
第一弾の終盤から各種アグロデッキに採用され始め、その後今に至るまで、1コストユニットながら数え切れない程にゲームの勝敗を決めてきたカードですが、《いたずらもぐら》の後を追うようにして遂にナーフされてしまいました。
テンションスキルで3点を出すことが出来るテリー、ゼシカ以外のリーダーは、特にこのユニットの処理に手こずる事が多く、極端なゲーム展開を作る要因になってしまっていたと思います。
タイミングはともかく、ナーフは仕方ない事だったかもしれません。
調整後はほぼ完全に《モーモン》の劣化となるため、採用される事はないと予想しています。
これによって、各種アグロデッキは1コストユニットの不足に頭を悩ませることになりそうです。マッチアップによっては勝ち筋そのものになる事もあった《プチアーノン》を失ったわけですから、デッキパワーのダウンも避けられないと思います。
アグロデッキを得意とするプレイヤー達のリペアに期待がかかりますね。
Nerf2.《やまびこのさとり》
あらゆるデッキに採用されて猛威を振るっていた《プチアーノン》の調整と違い、この《やまびこのさとり》の調整は偏に【OTKゼシカ】を潰すためのものに思えます。
これはあくまで僕個人の意見ですが、この【OTKゼシカ】は非常に不健全なデッキであったと思います。
もちろん、1ターンでゲームを決め切ってしまう、いわゆる『ワンショットキルデッキ』はあらゆるカードゲームに存在しますし、それ自体は歴とした戦術の1種であるため否定するべきものではありません。
しかし、この【OTKゼシカ】の場合、その条件がいささか緩すぎたのではないでしょうか。
パーツを集めるべくデッキを掘り進める、その作業に殆どテンポロスがないのも問題ですし、また簡単に貼れてしまう『魔法陣』はワンショットキル以外にも範囲除去、単体除去の火力を上げるなど汎用性が高過ぎました。
これによって、各種コントロールデッキは存在そのものを否定されていましたし、そんな特殊なデッキがありとあらゆるデッキに勝てる程のパワーを持っているのも問題だという判断をしたのだと考えています。
Nerf3.《暴走魔法陣》
心ゆくまで暴れまくったゼシカに対する下方修正ポイントは、《やまびこのさとり》の他にも二つあります。
各種ゼシカデッキの根幹を成していた『魔法陣』を生み出す双璧が一、《暴走魔法陣》もその一つです。
これに関して言えば、僕は《暴走魔法陣》というカードが悪かったという解釈はしていません。
『魔法陣』です。『魔法陣』という地形がただただ悪かったのです。
僕の単純な愚痴になってしまいそうな気配もあるので深く掘り下げる事はしませんが、『特技ダメージ+』という効果はそう簡単に付与されていいものではないんですよ。
そのように考えていくと、より単体としての汎用性が高い《まじゅつし》が未だ健康体でいるのはやや気がかりですが、それでもこの《暴走魔法陣》が尋常でない使いにくさとなったことは事実ですので、第3弾からトップに居座り続けていた従来の【魔法陣ゼシカ】系列のデッキは少し落ち着きを見せる事と思います。
Nerf4.《だんごスライム》
運営が遂にぶちぎれてしまい、ゼシカにお灸を据えました。魔法使いカードへの下方修正3種目です。
今回下方修正を受けたカードは全6種ですが、その内で唯一の第4弾「モンスターもりもり物語」収録カード。
つまりこの《だんごスライム》は、歴代最速で下方修正されたという栄誉(?)を授かったわけですね。
内容に関して。この調整でようやく「良カード」になったという印象です。
問題だったのは、2/2/3というコストに対して適性値を守っているスタッツによって、デッキを掘り進める作業にテンポロスがなかった事だと思っています。
それが今回で2/1という、2コストユニットとして明らかに弱いスタッツに修正されました。
恐らく今後は、ゼシカデッキであれば何にでも入る超お買い得カードという立ち位置からは退き、バーストダメージを探す事が必要な【バーン系ゼシカ】、デッキを掘り進めることが至上命題となる【ラーミアゼシカ】、あるいは種族を活かすことが出来る【スライムゼシカ】等でその姿を目にするような存在になるのではないでしょうか。
Nerf5.《スピリットリンク》
一方的な展開で勝つことが多く、ややプレイヤー達のヘイトを集めがちだった【床ククール】にも修正が加えられました。
今回の調整の中では最も地味という印象がありますが、これに関しては恐らく、運営が【床ククール】というデッキの存在そのものを否定したくなかったのだと思います。
だからこそ現在主力となっている《ミノーン》には手を加えなかったという解釈です。
僕自身は【床ククール】というデッキは突出したパワーを持っているわけではないと考えているため、このマイルドな調整には納得です。
またこれによって、新環境のククールは【ドラゴンククール】、【床ククール】、【反転ククール】と選択肢の幅が広く、とても良い立ち位置につけるリーダーになるのではないかと予想しています。
Nerf6.《魔術師のタロット》
【OTKゼシカ】以外の全てに勝つことが出来る、環境内のライバルとして大立ち回りを見せていたミネアからは、テンポスイングの核である《魔術師のタロット》が目を付けられ、弱体化してしまいました。
これも非常に妥当な修正であると思います。
「弱体化が極端すぎる!」との声もチラホラ耳にするような気がしますが、僕個人の感想を言わせてもらえば、もうこのカードに振り回される環境は懲り懲りなので大歓迎、大歓迎です。マジで。
当然、これによってミネアのデッキは大きく形を変える事を余儀なくされる訳ですが、【ドラゴンミネア】そのものが姿を消すかどうかはまだ分かりません。
この《魔術師のタロット》からのテンポスイングこそ無くなりましたが、高スタッツのドラゴンユニットを展開していく【ミッドレンジミネア】や、そこに奇数シナジーを組み込んだ【奇数ミネア】、あるいはそれらミッドレンジ系統のデッキを抑え込むことを目論む【コントロールミネア】の台頭は充分に考えられます。
恐らくは、この《魔術師のタロット》を目にする機会は無くなると思いますが。
Buff1,2.《グランスライム》・《必中拳》
上方修正カードは全七種。全て第四弾のカードで、種族デッキによりスポットライトを浴びせたいという意図が見えます。
まずは【スライムアリーナ】。
このデッキ、実に構築が難しく、《べスキング》等で盤面を取る構築を組もうとすると決め手に欠け、それではと《ラーミア》に特化しようとすると今度は【OTKゼシカ】に絶対に勝てなくなってしまうという、なんとももどかしい状況が続いていました。
このレジェンドカード《グランスライム》も、どちらのプランにも合致するように見えてその実非常に微妙な線であり、デッキ内でも当落線上の立ち位置だった訳です。
そこに来てこの上方修正2種と天敵【OTKゼシカ】の大幅弱体化ですから、今度こそという思いでデッキを組み上げようとするプレイヤーは多いと思いますし、新環境での活躍も大いに期待できるのではないでしょうか。
個人的にも好きなデッキであるため、積極的に使用していきたいと考えています。
Buff3,4,5.《ダイヤモンドスライム》・《メタルブラザーズ》・《デュランダル》
続いては【メタルトルネコ】関連カード3種。最早特定のデッキの立ち位置を上げるため、運営もなりふり構わず修正を施してくるようになりましたね。
この【メタルトルネコ】もついに環境に姿を現す事はありませんでした。
除去耐性こそある程度高いものの、基本スタッツが低い故に推進力に欠け、【OTKゼシカ】の大バーストや【ドラゴンミネア】の展開力に全くついていけなかったためです。
この修正によって新環境、息を吹き返すかどうかは……正直言って微妙ですね。
旧環境でも一定の使用率があった【ミッドレンジトルネコ】の強さが既に保証付きであり、おうえんユニットと《トロデ》《たたかいのドラム》の組み合わせによる爆発力もしっかりと兼ね備えています。
ただ、将来性を感じさせる修正であることは間違いありません。特に《デュランダル》。
パワフルバッジユニットとしては内容的にもコストパフォーマンス的にも破格であるため、今後の『メタルボディ』関連カード追加次第では……あるいは。
Buff6,7.《暗黒皇帝ガナサダイ》・《アスラ王》
最後にゾンビ系ピサロの目玉ユニット2種です。
【ゾンビピサロ】も旧環境、実に不遇だったデッキで、当初はミッドレンジタイプのデッキをそこそこ見かけましたが、環境が固まるにつれそれも見なくなってしまいました。
そしてこの《暗黒皇帝ガナサダイ》と《アスラ王》に至っては、僕自身試したことはあれど相手に使用された記憶は全くありません。
この修正で日の目を見ることになるんでしょうか。
まずは《暗黒皇帝ガナサダイ》。本体のコストパフォーマンスが悪すぎてネタにすらされてしまっていたレジェンドカードですが、コストとボディ両方に修正が加えられ、大分見違えるようになりました。
まだ単体での使用は難しいように見えますが、それでも後述の《アスラ王》と組み合わせれば十分に採用圏内と言えそうです。
そしてその《アスラ王》ですが……。率直に言って爆弾ですね。
元々このユニットは単体性能が低かったわけではなく、むしろ十分に強いカードでした。使用されなかったのはピサロというご主人様のせいであると言う他ありません。
以前までのこのユニットの唯一の弱点として、構築段階でしか展開を選べないという事が挙げられます。
《妖剣士オーレン》に即座にアクセスしたい状況もあれば、2体目の《アスラ王》を経由する余裕がある場合もありますし、《暗黒皇帝ガナサダイ》を引っ張ってきて長期的に戦いたいマッチアップもある。
これらをゲーム毎に、状況に応じて選択する事が出来ないわけです。結果的に、最も安定択となる《妖剣士オーレン》へのアクセス手段としてこの《アスラ王》を1枚だけ投入するというのが、現在までの落とし所となっていました。
しかし、今回のこのバフによって、そんな弱点など全くの無に帰してしまうようなパワーカードへと成り上がったのではないでしょうか。
正直、危険なにおいがします。
新生【ゾンビピサロ】に《暗黒皇帝ガナサダイ》が採用されるかは不透明ですが、《アスラ王》の方は第4弾屈指の「ぶっ壊れカード」になってしまったのではないかと、そんな事を思っている僕です。
調整後の各リーダーをザっと見渡して、イマイチ上下関係が見えてこないんですよね。どのリーダーも毛色の違うデッキタイプを所持していますし、そのどれもに可能性がありそう。新たなアーキタイプが台頭してきそうな気配もあります。
ただ、一先ずは前環境のtop2が繰り出してきた理不尽展開が死滅し、更に《プチアーノン》弱体化で各種アグロデッキの理不尽展開も無くなった事によって、純粋な盤面の取り合いを繰り広げるミッドレンジ環境になるのかなと予想しています。ミッドレンジ系統のデッキにマッチする第4弾最強カード《オルゴ・デミーラ》と《ブラッドレディ》が健在であることもその一因です。
そうなると、やはり牽引するのは【ミッドレンジトルネコ】でしょうか。
魔法陣系のゼシカデッキとテンポ系ミネアに対して相性負けしてしまう事が多かったことから、前環境ではトップに立てなかったデッキですが、第2弾から継続して高いデッキパワーを持っています。純粋な盤面の取り合いでは最強候補と言えると思います。
同じくミッドレンジデッキでの注目株として【ランプピサロ】。《アスラ王》のこれでもかという程の上方修正によって、今度こそという思いでいる事でしょう。
次いで、【ドラゴンククール】、【床ククール】、【奇数ミネア】と言ったデッキが上位に上ってくる可能性があります。
これらミッドレンジタイプのデッキを抑え込めるポテンシャルを持つコントロールデッキとして挙げられるのが、《一喝》を所持する【スライムラーミアアリーナ】、あるいは第3弾環境の覇者【床アリーナ】あたり。
陣ゼシカやこの【床アリーナ】等に活躍を阻まれ続けてきた【コントロールミネア】は、これら天敵デッキが少ないようであれば使われるようになるかもしれません。
一方で、アグロデッキを代表するのは今回も【アグロテリー】と【アグロゼシカ】という事で動かないと思います。
強力な1コストユニット《ことだまつかい》を擁する【アグロテリー】はともかく、【アグロゼシカ】が1コストユニットのパワー不足をどう補うのかに注目したいところです。
各リーダーにフォーカスを向けると、やはりゼシカがやや勢いを削がれてしまった印象ですね。
魔法陣を安定して貼ることが出来なくなったため、従来の構築はまず不可能だと思います。
【スライムゼシカ】も、《まどうスライム》、《闇の司祭》、更にはレジェンドユニット《ダークキング》のカードパワーが高い事は前環境で証明されましたが、それについてくるスライム系ユニットの不足は変わっておらず、《だんごスライム》の弱体化もキツイ打撃となりそうです。
ただ、ミッドレンジ環境となるのであれば盤面奪取能力とバースト力を併せ持つ【氷塊ゼシカ】復権の可能性も十分にありますので、そこが拠り所となるでしょうか。《オルゴ・デミーラ》、《ブラッドレディ》の2種は噛み合いが良く、第4弾でも順当に強化されています。
同じくトルネコも、【メタルトルネコ】活躍の望みがやや薄い事を考えると、従来の【ミッドレンジトルネコ】を前に寄せるか後ろに寄せるか程度でしか違いを作れないため、このデッキが環境に適応できなかった場合は、使用率の低いリーダーとなってしまうかもしれません。
この2つを除くリーダーは、様々なデッキタイプを持っているため環境に適応しながら生き残る事が出来そうに見えます。
蓋を開けてみないと詳しいところは分かりませんが、僕自身は新たな環境に既にワクワクしっぱなしです。
という事でね。
ふわっとした逃げ腰の予想を書いても面白くな(以下省略)。
・tier1
1位:【ミッドレンジトルネコ】
2位:【アグロテリー】
3位:【ランプピサロ】
4位:【スライムラーミアアリーナ】
5位:【ドラゴンククール】
・tier2
6位:【ミッドレンジ(奇数)ドラゴンミネア】
7位:【床アリーナ】
8位:【氷塊ゼシカ】
9位:【床ククール】
10位:【アグロゼシカ】
・tier3
11位:【奇跡テリー】
12位:【反転ククール】
13位:【アグロピサロ】
14位:【コントロールミネア】
15位:【じゃんけんミネア】
・期待枠
【スライムゼシカ】
【メタルトルネコ】
【魔法陣ゼシカリペア】
ふと思ったんだけど、アナザーリーダーが追加された今、こういうデッキ表記ってどうすればいいんだ?
【アグロ魔法使い】とか【床武闘家】とか言われても、しっくりくる率が0%なんだけど。
まあ、僕はマルティナ持ってる奴は全員現実改変者だと思ってるから、初期リーダーで統一していくしかないか。
……さて。最も見やすいという理由で予想tier表を作成こそしましたが。
もちろん、今回の調整は第4弾環境の研究がまだまだ為されていない状態で行われたため、今後この他にも新たなデッキタイプが生まれる可能性は充分にありますし、個人的にはそういった予想を超えてくるデッキに期待しています。
僕自身もそのようなデッキの開発に着手していければなと思っている次第でございます。
ここまで読んでくださった皆さんありがとうございました。いかがでしたか。
僕は純粋な盤面の取り合いが行われるミッドレンジ環境になる、と予想しましたが、実際には再びワンショットキル系のデッキが生み出されて全てを破壊するかもしれませんし、あるいは大海賊時代になるかもしれませんし、ジュラ紀になるかもしれませんし、虚圏になるかもしれません。
それは誰にも分かりませんが、これを読んだ皆さんが未来への展望をして、少しでもワクワクしてくれたなら嬉しいです。
ちなみに、今回の調整が纏められた公式ページの方には、内容に関する運営の見解も述べられています。
まだ見ていない方はこちらも是非↓。
では今回はこの辺で。ダークパレス杯、修羅の道を生きる覚悟のある方はよろしくお願いします。それ以外の方はランキングを見てゲラゲラ笑っていてください。
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