あけおめです。ゲームライターのふびらいです。
既にチェック済みの方も多いとは思いますが、来る9/19日(木)、DQRの大型バランス調整が予定されています。
これまで拡張の垣根を超えて活躍してきた英雄カードや、各リーダーの性能をたった1種で大きく底上げしていたカードの調整。
また反対に、これまで日の目を見ることができていなかったカードへ上方修正の手も差し伸べられています。
今回はその内容を考察し、新環境のデッキ分布を予想していきましょう。
バランス調整の内容考察
Nerf.1《勇者姫アンルシア》
第7弾期、某ゲームライターが《アンルシアアリーナ》をトップtierにまで押し上げて以降、冒険者を所持する殆どのリーダーでデッキが構築され、一度も環境からはじき出されることのないまま今日まで暴虐の限りを尽くしてきたカードです。
また、先日の勇者杯夏で優勝したカク選手によって伝説のカードにも選ばれ、まさに順風満帆の人生を歩んでいましたが、その伝説のカードの配布を待たずしてついに弱体化を受けてしまいました。
正直言ってこのカードに関しては、本体を大きくナーフする以外に問題の解決法は無かっただろうと思っています。
最早『○○が強い』と一言で収められるようなカードではなく、破邪の秘技それぞれのコストパフォーマンス、《破邪の秘技の会得》の破壊力、各種シンクロ能力との相性など、どこをとっても他の英雄、他のデッキと一線を画してしまっているからです。もちろんそれは、他を使用する理由を奪う事にも繋がってしまいます。
ゲームを象徴する英雄カードであり、伝説のカードにも選ばれたとあって弱体化の決断を下すのは難しかったと思いますが、少なくとも僕はこのナーフを見た時点でライバルズへの一生服従を決断することができました。
肝心の内容についてですが、この調整でアンルシアデッキ各種が大きく立ち位置を落とすことは免れないと思います。
《破邪の秘技の会得》がマイルドになり、破邪の秘技が全てコスト相当の性能になった事で、上記アンルシアデッキの強みが失われてしまっているためです。
依然として、無限に近いリソースを生み出せる点は大きな魅力となりますが、中盤以降無類の強さを誇るミネアやピサロ、また強化された花嫁のデッキと相まみえた際、それだけを武器に対抗できるかと言えば…。
アンルシア愛好家達のリペアには期待しつつ、僕は他の英雄を使おうと思います。
Nerf.2《レックス》
《勇者姫アンルシア》より更に前、第6弾発売時から環境の速度を定義し続けていたのが英雄《レックス》です。
英雄カードとはいえ、『環境を変える』という目的であればこのカードにも手を加える他無かっただろうと思っています。
そしてこの弱体化も《勇者姫アンルシア》同様、使用するプレイヤーにとっては苦しいものになるでしょう。
現在の《レックステリー》がまさにそうですが、《勇者の雷》のコストパフォーマンスが目に見えて落ちているため、手札を消費してダメージを叩き出す先方が取りにくくなっています。
致命的な調整でこそありませんが、後述の《少年テリー》の弱体化もあり、《レックステリー》が環境クラスのデッキに戻るには少々険しい道が続きそうです。
Nerf.3《少年テリー》
こちらも《レックス》と並び、長きに渡ってテリーデッキの血肉を成し続けてきたレジェンドカードです。
レジェンドカードが一度に3種弱体化された例は今回が初めて。《勇者姫アンルシア》同様このカードは伝説のカードでもあり、異例尽くめの調整となりました。
相棒モンスター3種の弱体化はとても大きいと思います。
本体のコスト上昇も考えると、何が出てもコスト通りの動きしかしないため、従来の『序盤に出せれば勝ち』とすら言えるカードとは程遠くなっているのではないでしょうか。
使用されなくなるという事はないかもしれませんが、既に《少年テリー》の魔力に取り憑かれている諸君にとっては、新環境のこのカードは物足りなくなりますね。
Nerf.4,5《さそりばち》《はやてのリング》
《勇者姫アンルシア》と《レックス》のナーフだけでも、現在の環境は大きく変わることを余儀なくされると思いますが、これらのヒーローが無くても十分に戦えることが証明されているアリーナに対しては、開発側も別の一手を放ってきました。
三畳紀からベーシックカードに眠り続け、ようやく日の目を見た《さそりばち》と《はやてのリング》の弱体化です。
《閃光烈火拳》の弱体化を受け《アカリリス》 に、それも弱体化すれば《さそりばち》にと、【アグロアリーナ】はフィニッシュ手段を乗り換え環境を牽引し続けてきましたが、またしてもお灸を据えられる形に。
低コストのユニットの充実度が群を抜いているため、これも仕方のないことかもしれません。
どちらも他のカードと組み合わせて真価を発揮するフィニッシュカードであるため、1MPの増加と言えど軽視はできないでしょう。
【アンルシアアリーナ】はもちろん、【アグロアリーナ】の構築にも大きな影響を及ぼす調整だと言えると思います。
Nerf.6《レジェンドホーン》
アリーナ、ククールとともに、アンルシアデッキ三頭政治の一角を担っていたトルネコ。
そのトルネコが、対アグロデッキにおける重要な駒として重宝していた《レジェンドホーン》にも調整が加えられました。
特に【アンルシアトルネコ】においては、シンクロ能力が実質的な意味をほぼ持たず、ただ5/5/6におうだちに6点回復がついてくるという、なんだかよく分からないカードになってしまっていたため、それを考慮しての調整だと考えます。
この調整でようやく、クラスカードに存在していいくらいの良カードになったという印象ですね。
採用率はもちろん落ちると思いますが、シンクロと相性の良い英雄カードを使用するデッキが増えた場合、まだまだ姿を見かけることになると予想しています。
Nerf.7《ホークブリザード》
www.whoblie19.com
このカードに10点中3点を付けたプレイヤーがいたらしいですが、それは置いといて。
最早ライバルズの風物詩とも言える、ナーフ後環境での【エイトピサロ】の隆盛ですが、今回はそれに対して牽制球が投げられています。
とは言えデッキの性質上、このカードのコストが1上がった程度では影響は大きくないと言えると思いますね。
《ホークブリザード》の採用率、【エイトピサロ】というデッキの立ち位置共に、大きくは動かないと予想しています。
Buff.1,2《天空の花嫁ビアンカ》《天空の花嫁フローラ》
今回の調整では、環境を変えるための上方修正も複数種のカードに対して実施されます。
その内の1つが、第8弾の新英雄、花嫁2種です。
大きいのは《天空の花嫁フローラ》の最終技《裁きを彼らに》のコスト調整でしょう。AoEの構えやすさが段違いなので、各リーダーの英雄選択の幅が広がったと言えます。
逆に《天空の花嫁ビアンカ》の方は、依然として一部のデッキに採用を検討される程度に留まりそうです。
とは言え、【スライムアリーナ】等、この英雄カードと相性の良いデッキは旧環境でもちらほらと存在したため、調整によって環境が変わるとともに、前線に姿を表したとしても不思議ではないと思います。
Buff.3《大魔王ゾーマ》
《勇者姫アンルシア》が弱体化を受けるのを横目に、《大魔王ゾーマ》は上方修正を受け、ついに反英雄としての真の姿を表しました。
新環境、僕が最も注目しているヒーローカードが《大魔王ゾーマ》です。
このカードがこれまで使用されてこなかった理由はレベル3スキルに集約されており、出たターンに一定の仕事が期待できるようになった今回の調整で、その弱点がひっくり返り得るためです。
《勇者姫アンルシア》と《レックス》の調整で、英雄カードの強さがより均一化され、更に環境も多少なり低速化することが予想されます。
ついに魔王が猛威を振るう時代がやってくるかもしれません。手綱を握るリーダーはピサロかテリーか、それともククールか。
Buff.4,5,6《リゼロッタ&ルコリア》《インプケイオス》《タロットフォーチュン》
旧環境において、総合的に最も使用率の低かったリーダーはミネアでしょう。それを懸念してか、実に3枚もの上方修正対象がミネアの職業カードからピックアップされました。
1枚ずつ調整の印象を語っていきましょう。
《リゼロッタ&ルコリア》:しょぼい
《インプケイオス》:やばい
《タロットフォーチュン》:びみょい
です。
《リゼロッタ&ルコリア》の抱える問題点はステータスではありません。『序盤に着地させてこそ真価を発揮するにも関わらず、必中モードに入っている必要がある点』です。実質、《勇者ソロ》を用いて《クロウズ》を経由させる構築しか実現させることができず、序盤の動きで大きく他のデッキに遅れを取ってしまいます。この部分が調整で解決されていません。
また、【偶数ミネア】や【占いミネア】はこのユニットのバフ能力を十分に活かすことが出来ないため、現状【絶好調ミネア】の専用カードのような立ち位置についてしまっている点も惜しいですね。
体力2上昇程度では、これらの問題点を無視してまで使用される理由になるとはどうしても思えず、まだもう少しストレージの中で眠るカードになる予感がします。
逆に《インプケイオス》は、明らかにトップクラスの単体パワーを持つカードに化けました。
基本的には【偶数ミネア】専用カードになると思いますが、デッキの立ち位置ごと大きく押し上げるポテンシャルすら秘めていると考えています。
このカードが偶数枠に移動したことにより、《タロットフリング》に次ぐ奇数枠として《セージももんじゃ》を投入できるようになったことも大きいですね。【ミッドレンジ偶数ミネア】には非常に期待しています。
《タロットフォーチュン》の強化は少々不気味です。
13MP→10MP→13MP→12MPと激動の人生を送っているカードですが、コストが13の時期であっても【占いミネア】に採用されていた前例はあります。
この1コストの減少がどうというよりは、新環境における【占いミネア】の強さがどうかに左右されると言っても良いかもしれませんね。
天敵【レックステリー】が弱体化を受けた今、再び王の座を取り返そうと目論んでいるデッキタイプの1つでしょう。
新環境概観
前述の通り、《勇者姫アンルシア》《レックス》のナーフによって及ぼされると思われる大きな変化が、『英雄のカードパワー均一化』と『環境の低速化』です。
各種英雄の上方修正も相まって、環境は大きく変わり、少なくとも初期段階は数多くのデッキを見かけることになるでしょう。
最も目を輝かせているのは、アグロデッキの弱体化と大幅な上方修正により、デッキ構築の幅が大きく広がったミネアというリーダーでしょうか。
【占いミネア】【偶数ミネア】【絶好調ミネア】 等全てのデッキにチャンスがあると思います。
特に、ナーフ直後の環境で必ず一度は姿を表す【占いミネア】は、今回の覇権デッキ候補の1つなのではないでしょうか。
ナーフ直後と言えばもう一つ必ず話題に上がってくるのが【エイトピサロ】ですね。
特に中〜低速の環境には滅法強いデッキで、今回の調整による損害も軽微に抑えています。想定される新環境にもマッチしていると言えるでしょう。
アグロデッキ界では、ここしばらくトップを走っていた【レックステリー】と【アグロアリーナ】に、【アグロゼシカ】が取って代わる可能性が高いと考えています。
新カード《タホドラキー》の獲得などにより、水面下でデッキパワーを高めていたデッキタイプで、もちろん今回の修正対象からも逃れているため相対的なパワーの上昇が考えられます。
第8弾で誕生したデッキとしては、パワーが据え置きの【スライムゼシカ】が注目されています。
アグロタイプなリストや《魔導召喚》を絡めたリスト等が混在し、まだプレイヤーが最適解に辿り着いていない印象のあったデッキですが、これはそれだけチューニング性能が高い事の証拠でもあります。新環境に適応できれば、飛躍的に使用率を増やす事も考えられます。
同じくスライムデッキとして密かに期待を寄せているのが【スライムアリーナ】です。
アリーナが誇る序盤のユニットの優秀さと《はなカワセミ》による回復力を併せ持ち、《キラーエイプ》《つむりんママ》《グランスライム》による爆発力、《ドンガラドン》《天空の花嫁ビアンカ》による持続力を全て所持しているという、字面だけ見ると最強デッキのような存在。
全く個人的な話ですが、旧環境においても使用感は良かったため、周りが弱体化された新環境、活躍のチャンスは大いにあると考えています。
英雄として見れば、有望株は《大魔王ゾーマ》です。
使用に足るリーダーは限られますが、【ゾーマランプピサロ】や【魔王テリー】辺りは上方修正の恩恵を十分に受ける事ができるのではないでしょうか。
このカードを使いたいプレイヤーは多いはずです。新環境に期待しましょう。
他にも、弱体化を受けたアンルシアデッキ各種の復活や、コインデッキの活躍など、注目ポイントは幾らでも存在します。
ここで文章にしきるのも限界があるので、このくらいにしてメンテナンスを待つことにします。
新環境予想Tier表
Tier1
1位:【ゾーマランプピサロ】
2位:【アグロゼシカ】
3位:【占いミネア】
4位:【スライムアリーナ】
Tier2
5位:【エイトピサロ】
6位:【ミッドレンジ偶数ミネア】
7位:【スライムゼシカ】
8位:【エイトトルネコ】
9位:【レックステリー】
10位:【ロトククール】
Tier3
11位:【魔王テリー】
12位:【絶好調ミネア】
13位:【アグロアリーナ】
14位:【アンルシアククール】
期待枠
【磁場ピサロ】
【アンルシアアリーナ】
【アンルシアトルネコ】
【アグロピサロ】
終わり
如何でしたか。書く時間が中々取れず直前になってしまいましたが、バランス調整前後でこれを読んで頂き、少しでも楽しめたのなら幸いです。
後は新環境一緒に楽しみましょう。
今回の調整に関する公式の見解はコチラ
cache.sqex-bridge.jp
意見・感想はコメント欄か僕のTwitterの方まで。
TwitterはコチラFollow @WhoBlie19
では、この辺で。
© 2017-2019 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
© SUGIYAMA KOBO