という訳でやっていきましょうか。
HSが束の間のオフシーズンという事で、ここ最近はドラゴンクエストライバルズの方に力を入れています。
元々プレイするつもりは無かったのですが、周囲の評判を聞いて我慢できずに始めてしまいました。
パックで当たった《ミレーユ》というレジェンドカードの見た目と効果に惹かれ、組んだデッキは「奇数ミネア」。
ブロンズからレジェンド上位の対戦まで、ほぼこのデッキタイプを調整しながら戦ってきました。
結果として、11/15時点でレジェンド29位に到達。
その後もポイントを積み重ねて、最高でレジェンド15位、最終的な順位は18位となりました。
ちなみに、ミネアの職業レベルは50でカンストしており、勝利数は現在578。
宇宙広しと言えど、ミネアという決してメジャーではないリーダーでここまで勝ちを重ねたプレイヤーは他にいないのではないでしょうか。
今回の記事は、そのミネアのスペシャリストたる僕が、奇数ミネアというデッキを隅から隅まで語り尽くすという内容になっています。
久しぶりにかなり分厚い文章になったため、気合を入れて読んでください。 あー、いや、適当に読んでもらっても構いません。
目次
「奇数ミネアの強みである《アルカナバースト》は、ゼシカの《メラゾーマ》と違い相手フェイスに直接撃ち込めないため、奇数ミネアはアグロゼシカの劣化である。」
こんな意見を、最近よく目にするようになりました。
が、これは正直、的外れな意見であると言わざるを得ません(そもそも、5ダメージと6ダメージ+1ドローを比べている時点で何を言っているんだと思わなくもないですが、それはまあ、今回は置いておきましょう)。
確かに《アルカナバースト》は強力な特技であり、奇数ミネアというデッキを支えているカードですが、このカードの存在はデッキの強さの一部であり、必ずしも本質ではないからです。
真に注目すべきポイントが、他にも幾つかあります。
ここでは、奇数ミネアというデッキの強み、また使用する意義となり得る点についてまとめました。
①.《インキュバス》という、3コスト帯最強ユニットの存在
これは断言できますが、奇数ミネアが擁する《インキュバス》というバクの化物は、全職業カードを併せても最も強い3コストユニットです。
そもそも3コスト帯というのは、環境を席巻する《亡者のひとだま》に対抗する戦力を整えるために、非常に重要な時間帯であると言えます。
にも関わらず、現在のカードプールを見渡してみると、この対《ひとだま》性能と汎用性とを兼ね備えた3コストユニットは殆ど存在しないのです。
例を挙げてみましょう。
まずは、《ひとだま》とのトレード性能を買われて一定の採用率を誇る《あやしいかげ》というカード。
確かにステルスという能力により、《ひとだま》やその他のユニットを討ち取る能力には長けています。
しかし、顔を出した瞬間にテンションスキルや1コストユニットで撃破されてしまう程のスタッツの弱さが足を引っ張っている事も、やはり事実ですね。
相応しいトレード相手が盤面上に現れるまで、盤面に支払った3MPというコストを充分に活かすことができないまま時が過ぎていくといった事が頻繁に起こります。
それだけならまだしも、「テンポゼシカ」を相手にした際、《ひとだま》の後続に控えている事の多い《ようじゅつし》に対して、このユニットはあまりにも無力です。
では、《ミミック》はどうでしょうか。
スタッツは100点満点中で120点をつけることができます。
しかし、当然このデメリット効果も生半可なものではありません。
「アグロゼシカ」「テンポゼシカ」に対して、容易に手札を一枚与えてしまう事の恐ろしさは、想像したくない程ですね。
相手が手札を使う前に勝負を決めてしまう事を想定しているアグロデッキであればいざ知らず、中速~低速のデッキがカードアドバンテージの面で不利を被る《ミミック》を採用するのは、蛮勇という他ないでしょう。
さて、比較対象のデメリットばかり挙げてきましたが、これらのカードはいずれも、特定のデッキ、あるいは特定の時期において使用されていた事実のある、有用なユニット達です。
このようにして考えていくと、そのデメリットを取り払った《インキュバス》がどれだけの強さと汎用性を持つか、分かっていただけるのではないでしょうか。
最近になって多くのデッキに採用され始めた《キャットバット》も強力なユニットですが、今やどのデッキからでも飛んでくる《ドロヌーバ》《はぐれメタル》《イエローシックル》とのトレード性能を考えると、《インキュバス》に大きく水をあけられている事は明らかです。
この《インキュバス》により、奇数ミネアというデッキの3コスト帯の充実度は、他デッキと比べても随一のものとなっているのです。
②.《ミレーユ》《アルカナバースト》とテンションスキルによるリソース確保能力
ここが「アグロゼシカ」との最も大きな差異であり、アグロゼシカを狩りにきた「コントロールテリー」や「トルネコ」に対して有利となる要因になります。
また、その「アグロゼシカ」との直接対決でも、リソース勝負に持ち込んで勝つというプランが採れる事の根拠になる訳ですね。
奇数ミネアというデッキは、一見するととても都合の良い構築がなされているように思えます。
それは奇数カードをめくる事を前提に組まれているため……ではなく、非常に広いマナコスト帯のカードを採用しているためです。
どのリストを見ても、1コストユニットの採用枚数はとても多く、6~8枚以上であるケースが殆どでしょう。
にも関わらず、魔王を含む7コスト以上のカードも複数枚採用されているリストが非常に多いのです。
コスト的に、ここまで広くカードが分布しているデッキと言うのは、他になかなか無いのではないでしょうか。
踏み倒し手段があるわけでもない。ピサロのようにマナ加速ができるわけでもない。
これでは、余程都合の良いドロー順をしなければ、終盤に低コストユニットを連続して引いたり、最序盤からずっと高コストユニットを握りしめるハメになったりと、上手く回らないのではないかと思われる訳です。
しかし、《ミレーユ》や《アルカナバースト》等の、常に手札をサイクルしながら戦う事のできるカードが、それらの状況を緩和し、この机上の空論のような構築を可能にしているのです。
③唯一無二のパワーカード《ジュリアンテ》による瞬間火力
奇数ミネアに最も欠かす事のできないレジェンドカードは、実は《ミレーユ》ではなく《ジュリアンテ》の方です。
もちろん《ミレーユ》が必要ないという意味ではありませんが、彼女が手札をサイクルしながら奇数シナジーをより強固にする潤滑油のような役割を持つのに対し、この《ジュリアンテ》は純粋なフィニッシャー足り得、存在するだけで勝利プランが1つ増えることになります。
DQライバルズというカードゲームにおいて、全体バフは非常に厳しいコスト査定を受けています。
例えば、Hearthstoneにおける《蓮華紋》(1マナ、全てのミニオンに+1/+1を付与)と同様の効果を持つピサロのカード《暗黒の闘気》は、4コストにまで落として設定されているのです。
《ジュリアンテ》はその不遇の全体バフ界にあって非常に有用なカードですし、奇数ミネアというデッキはその全体バフを充分に活かすことのできる、数少ないデッキであると言えるでしょう。
如何だったでしょうか。
職業カードのみに着目してざっと挙げただけでも、奇数ミネアというデッキが環境内の他デッキと比べて秀でている点はこれだけあるのです。
全てのデッキに勝てるという程のデッキパワーは無いかもしれませんが、「アグロゼシカ」や「ランプピサロ」ら、環境トップのデッキでさえをも脅かし続ける存在であると思います。
奇数ミネアというデッキは非常に自由枠が多いという点に特徴があり、プレイヤー毎にリストは全く違うなどという事もザラです。
他のデッキを見渡せば、どのプレイヤーに聞いてもデッキの20枚以上が同じである事がありますよね。
つまり、奇数ミネアは、環境内にどんなデッキが存在しているのか、また、そのそれぞれにどういった勝利プランを採っていくのかを考えて、デッキの大部分すらも変えていく必要があるわけです。
その対応力はデッキの強みであり、魅力でもあります。
無論、このデッキが環境トップには立てていない事を指し示す証拠でもある訳ですが。
僕の場合もその例に漏れず、環境に合わせて次々とリストを変えながら戦ってきました。
《ミレーユ》と《アンルシア》以外のレジェンドカードを含まない安価なデッキからスタートし、およそ入りうるカードは全て試しながら約1ヶ月間調整してきました。
そこで、今回はデッキリストの例として、苦悩と共に作り上げたそれらのリストを紹介していきたいと思います。
まずは、ブロンズ5のスタート地点から紆余曲折を経て、レジェンド29位まで辿り着いた、僕のDQR史上初の『一度完成されたデッキ』です。
『天挺空羅』
2×《メラゴースト》
2×《いたずらもぐら》
2×《おばけキャンドル》
2×《モーモン》
2×《インキュバス》
2×《タロットショット》
2×《ガチャコッコ》
2×《はぐれメタル》
1×《ジャガーメイジ》
2×《アルカナバースト》
2×《亡者のひとだま》
1×《ミレーユ》
2×《さまようよろい》
2×《レッドアーチャー》
1×《アンルシア》
1×《ジュリアンテ》
1×《りゅうおう》
1×《ゾーマ》
当時は奇数ミネアへの採用率が高くなかった《亡者のひとだま》を採用し、デッキパワーを高めると共に相手の《ひとだま》に対する対抗策を増やした形のデッキになります。
このデッキについて語る時、僕はイキリオタなんちゃらみたいな口調になってしまう事をどうしても避けられません。
そのくらい、このデッキは勝っていたのです。
当時の環境トップは「テンポゼシカ」で、次いでそれを狩ろうとする「ミッドレンジテリー」。
この二つのデッキが環境を作り上げ、その下に順番に「アグロゼシカ」「ランプピサロ」その他のデッキが存在していました。
この内、相性的に不利だと感じたのは「アグロゼシカ」のみであり、しかもそのマッチアップでさえも実際のランクマッチでは勝ち越していました。
「ランプピサロ」以下のデッキに対して取りこぼしが殆ど無いというのも、勝率を底上げしていた要因でしょう。
時間次第では一桁や一位を充分に狙えた構築であり、当時の環境での結論の一つがこの奇数ミネアというデッキであったと、現在でも考えています。
しかし、この天下は長くは続きません。
都合により僕がゲームを触ることができなかった数日間で、周囲の環境は大きく変化を遂げました。
「テンポゼシカ」を使用する各プレイヤーはそのプレイ練度を徐々に高めていき、リストの面でも《あやしいかげ》の採用が増えるなど変化が現れました。
結果として、奇数ミネアは対「テンポゼシカ」において、前述のリストでは明確に有利と言えなくなる程に勝率を落としてしまいます。
また、「ランプピサロ」にも、大きなリストの差異が生じ始めます。
その中でも特に大きな影響をもたらしたのが、《魔界の雷》が採用され始めた事です。
奇数ミネアは全体除去を持たないため、この特技によって取られた盤面を返すことが出来ない、あるいはカードを複数枚使わざるを得ない状況が発生し、やはり明確に有利とは言えないまでになってしまいました。
極めつけが「アグロゼシカ」のリストの変遷です。
《ミミック》や《レッドアーチャー》等、コスト以上のスタッツを持つユニット群によってダメージを叩き出すデッキであった「アグロゼシカ」は、《あやしいかげ》《かげのきし》《ドラゴンガイア》等、一度の行動が確約されているユニットで効率的にダメージを与える「ステルスアグロゼシカ」へと、徐々にその姿を変えて行きます。
これにより、やはり奇数ミネアは打撃を受けてしまいます。
それぞれ《ミミック》《レッドアーチャー》の除去として大きな役割を持っていた《タロットショット》と《アルカナバースト》が、「ステルスアグロゼシカ」戦では腐る傾向に陥ってしまうようになったのです。
来る「アグロゼシカ一強時代」に際し、奇数ミネアというデッキもまた、生まれ変わる事を強いられていました。
『綴雷電』
2×《メラゴースト》
2×《いたずらもぐら》
2×《ゴースト》
2×《おばけキャンドル》
2×《モーモン》
2×《インキュバス》
2×《はぐれメタル》
2×《ジャガーメイジ》
2×《キャットバット》
2×《アルカナバースト》
2×《亡者のひとだま》
1×《ミレーユ》
2×《さまようよろい》
2×《レッドアーチャー》
1×《メタルキング》
1×《アンルシア》
1×《ジュリアンテ》
ポイントで言えば2700周辺。
環境に対応しようと四苦八苦していた僕を、4000pt弱の地点まで連れて行ってくれたリストがこちらになります。
一目見てわかるとおり、コスト分布を前に寄せて「アグロゼシカ」と渡り合う事、更にはその「アグロゼシカ」と同等の速さを手に入れることで、中速以下のデッキに対する勝率も保つ事を意識した構築です。
環境はまさに「ステルスアグロゼシカ」一色。
リストやプレイも益々洗練されていき、初めからテンションスキルが盤面に触れられないというテンポ的デメリットを背負うミネアにとっては非常に苦しい環境でした。
最早序盤にテンションスキルを撃っているようではゲームに勝てない。そんな状況にまでなっていたからこその、1コストユニット10枚体制ですね。
このように低コストにデッキの大部分をまとめ上げ、《キャットバット》や《さまようよろい》など、横への展開を行えるユニットを多く揃える事によって、《ジュリアンテ》がまさに必殺級の切り札へと成り上がった事も特徴です。
また、前述の通り「アグロゼシカ」戦では序盤のテンションスキルは使用しない前提の構築であり、実際に腐り札となってしまいがちだったため、《タロットショット》は完全に抜いています。
ここまで尖った構築にしても尚、「アグロゼシカ」に対して完全な有利とはいきません。ここには正直、デッキパワーの違いを感じました。
それでも、環境を埋め尽くしていたその覇者に対してなんとか勝ち越していたことにより、最終日付近まではポイントを積み重ねることができました。
最高順位の15位はこの時に叩き出しました。
『五柱鉄貫』
2×《メラゴースト》
2×《いたずらもぐら》
2×《ゴースト》
2×《おばけキャンドル》
2×《モーモン》
2×《インキュバス》
1×《タロットショット》
2×《ガチャコッコ》
2×《はぐれメタル》
2×《キャットバット》
2×《アルカナバースト》
1×《ミレーユ》
2×《さまようよろい》
2×《レッドアーチャー》
1×《アンルシア》
1×《ラヴィエル》
1×《ジュリアンテ》
1×《りゅうおう》
11月度ランクマッチ「竜王杯」最終日周辺。
50位以内のランカーほぼ全員が「アグロゼシカ」を使っていたといっても過言でない程一色に染まっていた環境は、しかし土壇場でまたしても動き始めました。
その「アグロゼシカ」に勝つために研究されてきた「コントロールテリー」「ランプピサロ」「ミッドレンジトルネコ」と言ったデッキが頭角を現し始めたのです。
そして、これらのデッキが上位に登り詰めてきて環境が混沌とした事により、息を潜めていた「テンポゼシカ」も堂々の復権を果たします。
当然、「アグロゼシカ」も環境に適応しながら頂点に君臨し続けます。
環境の多様化です。
こうなってしまえば、奇数ミネアも以前の『綴雷電』のような尖った構築で勝率をキープすることは難しくなってきます。
実際、一度は4200付近までいったポイントは、環境に適応しきれずにデッキを使い続けた事で3700を割るまでに落ちてしまいました。
そこで、依然として環境の頂点に立つ「アグロゼシカ」に対する勝率をできるだけ保ちつつ、あらゆるマッチアップに対応するための「丸さ」を追及して最終日にこの構築を組み上げました。
テンションスキルに頼らない序盤のユニットの充実度と《ジュリアンテ》からの爆発力はそのままに、《ラヴィエル》や《りゅうおう》の投入で「ランプピサロ」や「コントロールテリー」とのバリューゲームを真正面から受けて立つ事ができるデッキになっています。
また、精神衛生上、デッキの事故率を少なからず引き上げてティルト状態を誘発しかねない《亡者のひとだま》は抜いています。
ただでさえ月末ラダーで精神を消耗する以上、ティルトケアは重要です。
これが過ぎれば頭に血が上って冷静な判断ができなくなり、耳や鼻から思い切り蒸気を噴出し、最悪の場合死に至ります。
これらの改築が功を奏し、4000を超えるまでポイントと順位を戻すことが出来た所で「竜王杯」が終了。
最終順位は18位となりました。
如何だったでしょうか。
たった1ヶ月間戦い抜くだけでこれだけの思考と試行を要求される「奇数ミネア」と言うデッキ、やはり使いこなすのは大変です。
しかし、まさにカードゲームであると言うやりがい、構築が巧くいった時の達成感、そんなものを味わえるデッキでもあります。
人里離れた所でジメジメとした研究をしていた感もありますが、そんなデッキでも充分に戦えることは示せたのではないかと思います。
どんなカードゲームでも、勝敗の5割前後、あるいはそれ以上が「構築」で決まると言われています。
どれだけ華麗なプレイングや豪運を誇るプレイヤーでも、デッキが弱ければ勝ち続けることが出来ないのです。
ここでは、「奇数ミネア」と言うデッキに採用され得るカードを
◎:採用の余地しかない
○:採用の余地が充分にある
△:採用の余地がない、とは言い切れない
×:採用の余地がない
の4項目でコスト帯別に評価していきたいと思います。
・1コスト帯
2コストを採用しない「奇数ミネア」にとって、1コスト帯のユニットは非常に重要な役割を持っています。
上記のリストでも、全て8枚以上の1コストユニットを採用していますね。
・《おばけキャンドル》:◎
《ジャガーメイジ》や《メラゴースト》等の裏目を背負う体力1という数字のため、他デッキにおいては、このカードの1ドロップとしての優先度はそれ程高くないと思います。
しかし、僕の考えでは「奇数ミネア」の1コストユニット、そのファーストチョイスは《おばけキャンドル》です。
理由は2コストユニットを採用しないというデッキの性質にあります。
特に《ドロヌーバ》を持たないというのが致命的で、こちらの1コストユニットを相手の《ドロヌーバ》や《はぐれメタル》で一方的に討ち取られてしまうのを、指を咥えて眺めている他ない場面が生じる事があります。
そう考えてみると、死亡時に1点を飛ばす《おばけキャンドル》は、相手のそれらのユニットとのトレードに対して多少なりリスクをつけることが出来るため、非常に重宝すべきユニットだと言えます。
《モーモン》や《いたずらもぐら》の基本攻撃力を「2」とすると、《おばけキャンドル》の攻撃力は「2.5」と言えると考えてください。
・《いたずらもぐら》:◎
体力2という数字が持つ安定性と、テンションリンク能力によるポテンシャルを兼ね備えた強力なユニットであるため、こちらも間違いなく採用するべきと考えていいでしょう。
気をつけなければならないのは、後攻時の1コストとしての不安定性です。
素の攻撃力が1と心許ないため、相手が先手1ターン目に《モーモン》《いたずらもぐら》をプレイしてきた場合、プレイし難くなってしまいます。
2ターン目であればテンションスキルと共に使用できるため大きな問題はありませんが、このユニットを安易に1コストとしての計算に入れてマリガンをすると、序盤で大きく出遅れてしまうリスクを孕む事になりかねません。
・《モーモン》:◎
《おばけキャンドル》の体力1というリスクと、《いたずらもぐら》の攻撃力1というリスクが共に払拭された、1コストユニットの完全体とも言うべき謎の哺乳類です。
このカードも必須と考えていいのではないでしょうか。
・《メラゴースト》:◎
1コストユニットとしての採用と言うよりも、細かいダメージ補助手段としての採用です。
前述の通り、このデッキは相手の《ドロヌーバ》や《はぐれメタル》に不利トレードを行われる場面の多いデッキです。
その後の盤面を最低限のMP消費で取り返すために、このカードを採用しない構築は考えられないと思います。
他にも、《ジャガーメイジ》と組み合わせて体力2のユニットを、《アルカナバースト》と組み合わせてピサロの《ライノスキング》を、それぞれ除去できるなど、このカードが欲しくなる場面は幾らでもあります。
テンションスキルが盤面に干渉しない職業であることも相まって、気軽な1ダメージはヒジョーにキチョーですね。
・《ゴースト》:○
ステルス能力により相応しいトレードを行うまで身を潜められる強みがありますが、スタッツの問題で9枚目~10枚目の1コストユニットが必要な際の採用に限られてくると思います。
盤面に残りやすいステルス能力により、《ジュリアンテ》との相性が良い事も記しておかなければならないでしょう。
アグレッシブな構築にするのであれば、非常に有用なカードです。
・《プチアーノン》:×
先手1ターン目に設置できた場合は強力なキャリーとしての働きが期待できますが、正直それ以外に強い場面は見当たりません。
特に盤面の処理に回る展開の多いアグロ系統との対戦において、トレード能力の低いこのユニットは足手まといとなってしまいがちです。
・3コスト帯
同じく2コスト帯を採用しないという理由により、3ターン目に充分なスタッツを持つ3コストユニットをプレイすると言う行為が非常に大きな意味を持ちます。
当然、それ相応の採用枚数が必要と言えるでしょう。
・《インキュバス》:◎
《アルカナバースト》とのコンビは、たったそれだけでデッキを奇数で固める理由になっています。
このカードを抜く事は絶対にありません。
うしおととら、あるいは蜜柑と檸檬、あるいはオンスタインとスモウの内どちらかが欠けていたら、何だか良くわからないけど「なんやねんソレ!」となるのではないでしょうか。
・《はぐれメタル》:◎
散々、《ドロヌーバ》を採用できない事が弱点になり得る事を説明してきましたが、それでも同じような働きが期待できるこの《はぐれメタル》は採用できます。
各種1コストユニットや《ピサロナイト》との一方的なトレードを手札から直接行える性能は唯一無二のものです。
他にも、《亡者のひとだま》へのダメージ補助やバーストダメージ等、このデッキに不足する部分を補ってもいます。
今やコントロールデッキでさえも必ず採用している、共通界屈指のパワーカードです。
採用しない道は見当たりません。
・《キャットバット》:○
3コスト帯のサードチョイスは恐らくこのカードです。◎としてもいいでしょう。
不利トレードを強いられるのが《ドロヌーバ》程度しか存在せず、常に安定したパフォーマンスを期待できます。
また理論上は《ひとだま》との1:1トレードが可能で、トレードの選択肢が豊富であるため、空の盤面に着地させる事が出来た場合には大きなリターンが見込めます。
・《ガチャコッコ》:○
確かに腐る場面がある事や、稀に飛んでくる謎の《サイレス》を考えると今一歩信用の置き難いカードですが、それでも3コストユニットとしてのポテンシャルは上記の3種と並んで頭一つ抜けていると考えます。
特に横に並びやすい対ゼシカ、対ピサロにおいて有用で、この2人のリーダーが環境の覇権を握っている現環境においては、充分に仕事をすると思います。
これは余談ですが、このカードが評価を落としている理由の一つに《亡者のひとだま》の存在があるため、もしも《ひとだま》のカード調整が実施されて使用されなくなった場合には、この《ガチャコッコ》も◎となるかもしれません。
・《ジャガーメイジ》:○
主にアグロゼシカに対して刺していくカードとしての採用になりますが、その他にも対トルネコ、対ピサロ等役に立つマッチアップは多く存在します。
ただし、このカードは「竜王杯」環境中盤であまりにも広まってしまい、対策するプレイやリストも一般的になってしまった事もあって、最終的な『五柱鉄貫』のリストでは採用されていません。
やはりスタッツがネックですね。
テンションスキルで処理されてしまう3という体力と、《ひとだま》の喉元に届かない3という攻撃力が絶妙に弱いです。
・《マポレーナ》:△
器用貧乏と言う印象が拭えません。
「アグロゼシカ」においてこのユニットが力を発揮しているのは、再三になりますがやはり《ドロヌーバ》の存在が大きいです。
ステルスで確実に場に残る2コストユニットがあればこそ、《マポレーナ》のバフが確実に活きるのです。
《ひとだま》に対するダメージ補助として見ても、手札からのバーストダメージとして見ても、+1という数値はやはり活き難いですね。
・《あやしいかげ》:△
《インキュバス》を所持する「奇数ミネア」がこのユニットを採用する意義は非常に薄いと感じます。
《インキュバス》《キャットバット》を採用してもなお、《ひとだま》処理性能の低さが敗北に直結していると感じたときのみ、採用に値する可能性が出てくるカードと言えるでしょう。
現状ではそこまでの緊急性を感じていません。
・5コスト帯
非常に難しい選択肢が広がっているように見える5コスト帯ですが、実がほぼ固定枠と思われるカードが多く、各ターンの動きやすさを考えるとそれ程大量に積むことは出来ません。
しかし、であるからこそ、残りの少ない枠に投入するカードを吟味する事は非常に大きな意味を持ちます。
・《ミレーユ》:◎
詳しい説明は必要ないかと思いますが、奇数型に限らず、ミネアでデッキを組むのであれば是非とも欲しいカードです。
デザイナーズコンボなので当然と言えば当然なのですが、トップを操作する能力と奇数シナジーは非常に相性が良く、低確率ながら常に付きまとうリスクを未然に防ぐ事ができます。
・《レッドアーチャー》:◎
あくまでも、「奇数ミネア」というデッキの根幹は高いカードパワーを誇る共通カード群による、ビートダウンデッキです。
前に寄せようとも後ろに寄せようとも、その根っこの部分は変わりません。
その中にあって、7/6という規格外のスタッツを持つこの《レッドアーチャー》はデッキ内随一のハードキャリーとなる事が出来ます。
特に中速以下のデッキと相対した場合、このユニットを7/6で着地させることが出来るかどうかというのが、大きな勝敗の要因になると思います。
このカードを抜こうと思った事はありませんね。
・《さまようよろい》:◎
「アグロゼシカ」と同等以上に序盤のユニットを揃えたとしても、バーストダメージの部分で差が生まれる事はどうしようもありません。
つまり、その「アグロゼシカ」とのマッチアップにおいて、先攻時には充分に勝てても、後攻時の勝率を伸ばすのは非常に難しいのです。
その点を補うのがこの《さまようよろい》になります。環境上位に「アグロゼシカ」が存在する限り、このユニットも必須と考えて良いと思います。
このユニットを採用する事で、後攻時でも相手のユニットを捌くことに終始し、リソース差をつけると共にライフ回復で詰みに持っていくというプランが生まれる訳です。
いつ使用しても強いカードという訳ではないので注意が必要です。
4/3という決して磐石でない鎧を退けられたその奥に待つのは、1/3というトレード能力皆無のニヤニヤしたクラゲです。
ゼシカ戦、テリー戦でこのユニットを効果的に使用するためには、テンションスキルを他で使わせるプレイが必要になってきますね。
・《メタルキング》:○
アグロ系統のデッキとリソース勝負を繰り広げる際にその主役となり得るカードであり、このデッキに不足しているバーストダメージを多少なりとも補ってくれるカードです。
注意点としては、「5MPも支払って3/3速攻を展開し、尚且つテンションスキルを使用して手札に戻す」という行為自体は、テンポアドバンテージ的観点から見ると一切強くないという事です。
あくまでこのカードが輝くのは盤面の抑え合いとリソース勝負においてのみであり、それもあって複数枚の採用というのは現状難しいと感じています。
・《ラヴィエル》:○
5/5/5という充分なスタッツに加え、ドロー順によっては非常に大きなバリューを内蔵する可能性を秘めたパワーカードです。
本格的な試行をしたのは「竜王杯」最終日近辺が初めてなのですが、その使いやすさに驚かされました。
試行回数の少なさから「○」とするにとどめましたが、今後評価が変わる可能性は大いに考えられます。
・《おばけトマト》:×
1に効果が非常に不安定である事、2にスタッツが貧弱である事、3に枠を争う5コスト帯のユニットがいずれも強力である事。
これらの理由により、採用は厳しいと感じています。
ウォールに穴を開けたい場合には体力を1にしなければならず、《メラゴースト》等を持っていない場合は攻撃力を1にしなければならず……。
同じく占い効果を持つ《ジュリアンテ》と違い、①効果が強い場面と②効果が強い場面が必ずしも一致しないため、50%の確率による不安定さが浮き彫りとなってしまっています。
このカードを使用しなければならない程、除去力不足に悩まされている訳でもありませんし、占いシナジーを採用しているデッキでもありません。
ビートダウンというデッキコンセプトに合致しない事もあり、このデッキ内で《おばけトマト》が安定した活躍をするのは現実的でないと考えます。
・7コスト帯以上
・《ジュリアンテ》:◎
ミネアというリーダーが他職業にも誇れるパワーカードであり、デッキとの相性もとても良いため、採用しない理由はないと思います。
①と②の効果、一見すると正反対のようですが、これらが効力を発揮する場面は実は似通っており、この点が《ジュリアンテ》の強さのキモでもあります。
自分の盤面にユニットが存在する状況であれば、①の全体バフ効果は勿論の事、②のフリーズ効果も1ターンタダで相手を殴ることが出来るため、とても有用ですよね。
また、この②の攻撃を封じる効果、その対象には相手リーダー自身も含まれる事を知っておきましょう。
特に盤面の制圧を武器に頼るテリーとの対戦ではこれが活きます。
・《ゾーマ》:○
説明不要のカードパワーを持ちます。
「○」としましたが、デッキをロックすることによる詰ませ性能は対アグロにおいても有効であるため、どんな環境であったとしても充分に採用の余地があります。
・《りゅうおう》:○
バリューゲームにおいては類稀なる性能を発揮しますし、自ユニットを守る性能、《ようじゅつし》や《雷鳴の剣》の弾除け性能等を考慮して、『天挺空羅』や『五柱鉄貫』においては採用しています。
弱点はやはり即効性の薄さです。
プレイから《りゅうおう》の本体が活躍するには最短でも2ターンの時間が必要である事を考えると、特にアグロデッキと相対した際に性能を発揮できません。
同コスト帯の《バルザック》と比較してどちらが適しているかは、環境と相談する必要がありそうです。
僕も未だ理論を確立出来ていません。
・《グラコス》:△
弱いカードではないため、入れたら入れたで強い場面はそこそこにありますが、敢えて必要であるとは考えていません。
冒頭にて、このデッキは「低コストユニットと高コストユニットの両立が可能である」と述べましたが、それでも個人的には、高コスト帯、殊更9コストのユニットを複数枚投入する事に対して懐疑的、否定的です。
テンションスキルから《アルカナバースト》を引っ張ってくる事が可能なこのデッキは、過剰なバリューを必要とする場面が少ないというのが最も大きな理由ですね。
そう考えると、9コスト帯で比較した際にこの《グラコス》が《ゾーマ》に勝る事はないため、お鉢が回ってくることもなかなかないと思います。
・《シドー》:△
「奇数ミネア」にこのカードが必須だと考えている方は、ビートダウンが本質であるこのデッキの事を履き違えてしまっていると思います。
そもそもどのマッチアップで使用するのでしょうか。
マナ加速のないミネアが《シドー》を使用する9ターン目以降と言うのは、ゼシカもテリーも既に武器や特技によるフィニッシュの算段をつけている時間帯です。
全体除去によって形勢がひっくり返る場面は稀でしょう。
他のデッキに対しても同様……なのですが、実は一つだけ、このカードの有無で明確に勝率が変わると思われるマッチアップが存在します。
対「ランプピサロ」です。
「ランプピサロ」戦で序盤のボードの取り合いが互角以下の進行となった場合、勝負は終盤のリソース勝負、並びに盤面の奪い合いといった様相を呈する事になります。
その際、ピサロ側が一方的にこちらに刺さる《シドー》を所持している状況は、このデッキにとって望む所ではありません。
ピサロ側も体力4以下のユニットが非常に多く、《シドー》が刺さる場面は多いため、このマッチアップに限っては有用と言い切れます。
更に言えば、「ランプピサロ」が勢力を伸ばし、「アグロゼシカ」をまさに追い抜かんとしている現在の「眠れる勇者杯」環境においては、この《シドー》にも採用の余地があるのかもしれません。
この点の検証は僕自身の今後の課題と言えそうです。
・その他
・《アルカナバースト》:◎
説明は不要かと思います。《インキュバス》とのコンビが、このデッキを奇数で固める理由の全てです。
吾郎と寿也、あるいはウォリックとニコラス、あるいは新田浩介と山岸尚美の内どちらかが欠けていたら、なんだか良くわからないけど「なんやねんソレ!」となるのではないでしょうか。
・《タロットショット》:○
「ステルスアグロゼシカ」戦で腐りがちであるという、その一点のみが災いし、僕のリストでの枚数は減少傾向にありますが、その他のマッチアップでは間違いなくあればあるだけ良いというレベルの特技であることも事実です。
特に「テンポゼシカ」戦と「ランプピサロ」戦では、「来るべき時のために《アルカナバースト》は温存したいが、除去したいユニットが存在する」という状況が比較的多く発生します。
《インキュバス》《亡者のひとだま》《レッドアーチャー》等を守ってキャリーしてもらうという、デッキのメインコンセプトにも合致しているため、「ステルスアグロゼシカ」一強などの極端な環境でない限りは、きっかり2枚採用すべきと言えそうです。
・《亡者のひとだま》:○
シナジーも何もあったもんではありませんが、Dr.4と呼ばれるそのカードパワー故、また相手の《ひとだま》に対するコマとなり得る故の採用は、常に選択肢の一つとなります。
カードそのものの強さについて敢えてこの場で説くことはしません。
「奇数ミネア」に投入する偶数カード枚数の分水嶺は4枚だと考えています。
《アルカナバースト》を確定とすれば、残り2枠の第一候補がこのカードとなるわけですが、当然抜けばそれだけ奇数シナジーの安定性は増します。
偶数を4枚投入すれば、ある程度偶数がめくれる事は避けられませんし、その内の更に一部は致命的なミスにもなります。
《ひとだま》無しで充分なデッキパワーが維持できると判断した場合は、上記の『五柱鉄貫』の様に不採用とした方が無難かもしれません。
・《ワンダーフール》:△
奇数シナジーを考えると、こちらの方がリストとして美しいのは確かなのですが、非情にもこのカードが《ひとだま》に勝る事はありません。
相手の《ひとだま》に触れる前に《メラゾーマ》で倒されてしまう場面の多いこのユニットは、《ひとだま》と比べて《ひとだま》に対するコマとしての性能が低いのです。
《ひとだま》ばかりで何を言っているか分からなくなったので終わりにします。
・《スキッパー》:×
このカード自体を絶対的に評価すると特に弱いという事もありませんが、残念ながらこのカードを使用して勝てる程、現在の環境は温いテンポゲームをしていません。
どのタイミングで使用するのでしょうか。2ターン目のプレイでない事は明らかですね。
3ターン目でしょうか。
テンションスキルと合わせてデッキトップ奇数! わーいカード1枚ゲットー! すごーい!
そんな事をしている場合ではありません。次のターンに相手は《亡者のひとだま》をプレイしてきますよ。
総じて、カツカツの偶数枠に割って入れるようなカードであるとは言えないでしょう。
如何だったでしょうか。
ここで挙げたカードは全て、僕自身が試行した経験のあるカードであり、評価はそれに基づいています。
勿論、未知の組み合わせ等による使い道が無いとは言い切れませんが、一定の信頼はおいてもらって構いません。
この記事はデッキガイド、と言うよりも構築論であるため、細かいマリガンやプレイングに関しては省略しようと考えています。
既に文量が物凄い事になっていますし、環境やリストによって最も変わりやすい部分であるという理由もあります。
ただ、マッチアップ毎の大まかなプランニングという部分は、デッキを理解する上で重要な点の一つですので、ここで挙げてみたいと思います。
・対「アグロゼシカ」
土台としては不利マッチであり、ある程度以上尖らせなければ勝ち越すのは難しいです。
しかし、その中でも勝ちへのビジョンは明確に持ってプレイしてください。
・2,3ターン目から盤面をきっちり握ってしまい、一度も明け渡す事のないまま相手ライフを削りきるパターン(マウントプラン)
・相手ユニットを処理する事に終始して相手のリソースを枯らし、削り切られる前に《さまようよろい》等で詰ませるパターン(バリュープラン)
・相手ユニットを処理しながら隙を作り、《ジュリアンテ》や《ゾーマ》でカウンターを狙うパターン(カウンタープラン)
大まかに分ければこの3つのいずれかが決まった時に勝利を手中に収められます。
先手時、あるいは自分のデッキの回りが良い時、あるいは逆に相手の回りが鈍い時にマウントプランを狙い、状況に対応するようにしてバリュープラン、カウンタープランへと移行していく事になる訳ですが、最も難しいのはこの移行の判断、タイミングだと思います。
例えば、先手でマウントプランを遂行中に、相手が《亡者のひとだま》をドロップしてきたとしましょう。
マウントポジションを取ってライフを削っているのは自分であるため、相手の《ひとだま》は自軍ユニットの処理にまわるだろうとタカをくくってフェイスを殴ったら、 そのユニットが《メラゾーマ》で処理されて相手の《ひとだま》に触れる手段がなくなっちゃいました~。
このような事がないようにしなければなりません。
バーストダメージ不足に悩む「奇数ミネア」は、勝利の瞬間まで盤面を掴んでいる必要があるため、安易なフェイスは破滅を招くのです。相手ユニットが《ひとだま》となれば尚の事でしょう。
マウントプランを遂行できているのであれば、途中でバリュー、カウンタープランに移行しても盤面の優位は大体保てます。
ここの目算を誤らないようにしたいところです。
・対「ランプピサロ」
リストによって可変ですが、平均すると5分以上あるとは思いますね。
基本的には《インキュバス》《亡者のひとだま》《レッドアーチャー》の「三本槍」を軸としてユニットを着地させ、特技でそれらを守ってキャリーしてもらう勝ち筋になります。
「三本槍」の内容はリストによって異なるかもしれませんが。
また、ピサロというリーダーはマナ加速を戦術とする割にドロー力が弱く、更に最近は《進化の秘法》が採用されない傾向にあるため、盤面を取りきれずに終盤までもつれ込み、バリューゲームになったとしても充分に勝ちを見込めます。
テンションスキルで《アルカナバースト》を引っ張ってこれるというのがここで活きてきますね。
盤面を取れないままマナ加速を決められ、逆にマウントポジションを取られてしまった場合は負けパターンになります。
ちなみに、《タロットショット》が最も重要なマッチアップです。
《オークキング》《妖剣士オーレン》や各種冒険者ユニットをコスト効率よく除去する事が出来ます。
《アルカナバースト》を《ライノスキング》等に温存したい関係上、《タロットショット》がなければキャリー陣を守りきることが出来ません。
ピサロの多い現「眠れる勇者杯」においては2枚確定枠と考えてもらって良いと思います。
・対「コントロールテリー」
有利と考えてもらって構いません。
回復力の高い「コントロールテリー」は、バーストダメージでフィニッシュの算段を立てる「アグロゼシカ」に対しては強く出られますが、逆に勝利のその瞬間まで盤面を手放さない「奇数ミネア」等のデッキから盤面を奪い返す程の力は持っていません。
また《ジュリアンテ》が非常に刺さるマッチアップでもあり、出すだけで相手が苦しみ悶えてしまいます。
逆に負けパターンとしては、《きせきのつるぎ》を最速で強化され続けて、相手ライフを削れないままユニットが処理され切ってしまう場合。
《ジゴスパーク》を顧みずにオールインして咎められてしまう場合等があります。
・対「テンポゼシカ」
型によっては不利、型によっては有利と、リストによって大きく相性が揺れ動くマッチアップです。
またプレイングも非常に難しいです。
このマッチアップにおいて何よりも重要なのは、「如何にして《ようじゅつし》を使わせるか」という意識です。
相手が《ようじゅつし》を切ってくれなければこちらは一向に《アルカナバースト》を使えませんし、その状況で《バラモス》に着地されてしまえばそれだけでゲームエンドです。
逆に序盤で盤面を握ってライフを削り、相手がたまらず出してきた《ようじゅつし》を《アルカナバースト》で除去できれば、相手はもう一度パーツを集め直さなければならず、《バラモス》も驚異ではなくなり、バリューゲームでも何でも持ち込む事が出来るようになります。
覚えておいてください。《ようじゅつし》を切らせない限り、相手から見れば幾らでも勝利プランが取れるのです。
ちなみに、このマッチアップも《タロットショット》が非常に重要です。
《アルカナバースト》を《ようじゅつし》に対応させると考えると、その他の「テンポゼシカ」のキーユニット達、《きとうし》《げんじゅつし》《メイジキメラ》《みならいあくま》の除去は、自軍のユニット達とこの《タロットショット》の双肩にかかっていると言えます。
「テンポゼシカ」のユニット達はいずれも放置すればするだけ危険であるため、速やかな除去が出来る状況を常に用意しておくのが理想です。
・対「ミッドレンジトルネコ」
上記デッキに比べると試行回数は少ないですが、不利という認識はありません。負けているゲームは大体5ターン《レッドアーチャー》を《アンルシア》されてブチ切れながら負けているというイメージです。
あーまあ、対トルネコに限らずですかね、これは。
プランニングというよりも、細かいプレイを中心として記していきたいと思います。
お互いに範囲除去を所持していないため、どのゲームも純粋な盤面の取り合いになると思います。
その中にあって《ジャガーメイジ》が有効活用出来る場面は多いため重要であり、その逆も言えるので出来る限りのケアはするべきだと考えます。
言うまでもないことですが、一番の脅威は《リッカ》であり、このユニットを除去できないというのが想定される中で最も恐ろしい状況です。
盤面を五分以上に保てていればそれ程問題はありませんが、そうでなければ《タロットショット》の使い方などに注意する必要が出てきます。
範囲除去が豊富で、そのどれもがこのデッキに有効に働くため、あまり勝ちやすい相手ではありません。
リストの面で見ると、前に寄せれば寄せる程不利に傾き、中盤のユニットを厚く採れば有利に傾きます。
ドロー力が高いためバリューゲームに持ち込んで勝てる見込みは非常に薄いですね。
そのため、ほぼ全てのゲームでマウントプランを取る必要があります。
また、こちらのメインキャリーである《レッドアーチャー》に対して明確な回答《ザキ》を持っているため、手数を多くしなければダメージを稼げません。
《ジュリアンテ》による瞬間火力は数少ない頼みの綱であるため、どのタイミングでどのユニットと組み合わせるかを見誤らないようにしたいところです。
如何だったでしょうか。
よく見るデッキのみに限定し、記載する内容も細かい部分は不足していますが、僕がどのようにしてデッキを回しているか、その片鱗は見ていただけたと思います。
この「奇数ミネア」というデッキ、プレイ自体はマナカーブ通りにユニットを出していく事が基本になるため非常に単純ですが、デッキやゲーム展開毎のプランニング、言い換えれば「勝ち方」が多く存在するため、その部分の把握と遂行がとても難しいと思います。
少しでも、その参考になれば幸いです。
さて、これにて「奇数ミネア」構築論は終了となります。
やはり第一線で活躍できるデッキにするのは非常に大変なリーダーですし、まだまだ使用者の少ないデッキタイプではありますが、この記事を読んで、少しでも使用、研究してくれるプレイヤーが増えたらいいなと思います。
ちなみに、ご存知の通り、ドラゴンクエストライバルズはカード調整を予告しています。
ミネアというリーダーが何かしらの下方修正をもらうことは考え難いため、新環境での立ち位置が相対的に上昇する可能性は充分に考えられます。
期待したいところですね。
僕自身は、直にHSの新拡張が登場するためそちらに流れるか、ライバルズを今後も積極的にプレイするか、今の段階では正直分かりません。
が、今後も何かあれば必ずこのブログにあっぷすると思いますので、是非その時はよろしくお願いします。
そろそろ失礼します。
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